迷宮街クロニクル 1 生還まで何マイル?

評判良さそうなので読んでみました。元々はweb小説だったものを、加筆修正したものとか。
舞台は2003年の京都。大地震で京都の地下に天然の迷宮が出来て、そこには沢山の怪物が。その怪物を殺し、死体から有用な部分を剥ぎ取って売る事で生計を立てる。そんな探索者に志願した青年が主人公。仲間と共に、死と隣り合わせのダンジョンに挑戦します。
面白かった!! なんでもウィザードリィを現代の京都でやると言うのがそもそものコンセプトらしく、迷宮探索はやたらとシビア。人はポンポン死んでいくし。魔法っぽい力も登場しますが、死んだ人間が生き返るほどの奇跡は起きず、せいぜい傷が治ったり攻撃できたり...と言うぐらい。そんな普通の人間の域を出ないキャラによるダンジョンアタックは緊張感が常に漂っていて、読んでいて飽きません。
常に迷宮に潜っている訳では無いので、話の半分ぐらいは人間関係。これもまた良かった。いつ死んでもおかしくない生き方を選んだ以上、皆それぞれに色々な事情がある訳で。知り合いや恋人ともめるのも当然なんだけど、その選択をした理由もまた分からないでもない。難しい所だけど、そこがまた楽しかったです。
また、所々に主人公のweb日記が書かれているんですが、これも妙にリアル。内容と言うよりも、言葉遣いが。読みながら、「こう言う書き方、自分もしてるなぁ」と、編な所に共感したり。
と言う訳で、非常に満足な1冊でした。次は中巻だそうで。とにかく楽しみです。