迷宮街クロニクル 4

京都の地下に出来た迷宮を巡る物語、シリーズ最終巻。
最後まで淡々とした雰囲気が崩れない作品でした。真壁の語り口調はどんな時でも落ち着いていたのですが、それが逆に不安を煽る感じ。お陰で終盤になっても誰が生き残って誰が死ぬのか? が全然分からなくて不安な気持ちが晴れないまま。ラストまで読み終えて、ようやくホッとしました。迷宮内に階層を貫くゴンドラを設置する大事業、どうなるかと思いましたが、こうなったか...。
また、迷宮に住むモンスターたちの話が僅かながらでも読めたのが良かったです。向こうも向こうで生きているんだから、何の理由も無く出てくる訳じゃないよね。人間とは今後も相容れなさそうですが、その内和解する日も来るのかなぁ。
話はここで終わっているけれど、生き残った人たちの生活はまだまだ続く訳だし、街を去った人たちの新しい生活もこれから。恋愛方面も新たな局面を迎えたし、個人的にはもう少し続きが読みたかった気もしますが、綺麗に終わっているのでこれはこれで満足。全4冊、楽しかったです。