迷宮街クロニクル 3 夜明け前に闇深く

Book

シリーズ3冊目。京都の地下に突如として現れた怪物の蔓延る迷宮に挑み続ける探索者達のお話です。全3巻で完結かと思っていましたが、なんともう1冊出るとの事。

今回はそれ程地下に潜る事無く、どちらかと言えば街での話がメイン。主人公である真壁と、彼が東京に残してきた恋人との話や、迷宮で取れる成分の買い取りに関する大きな提案とか、人間関係に重きを置いた内容でした。
迷宮のさらなる探索に向け、活気と前向きな姿勢に溢れる展開...のはずなのですが、どこかしら陰が残り、このまま進んだら足下をすくわれるんじゃないか? そんな不安が頭の片隅に残り続ける。この雰囲気が、読んでいて地下だけじゃなくて地上も不気味だと思わせてくれました。これまでは地下に潜っている時だけだったハラハラさが、地上にも拡大した感じ。探索があんまり無かったとは言え、今回も死人はキッチリと出るし...1ページ先で何が分からず、非常に面白かったです。

残り1冊、どう完結するのか凄く楽しみ。