ソードアート・オンライン 7

シリーズ7冊目。今回はアスナが中心のお話。オリジナルソードスキルを賭けて、強者との対戦を募る、《絶剣》を名乗るプレイヤー・ユウキ。キリトでさえ勝てなかったその少女に、アスナが挑むもののあえなく敗退。しかし強さを見込まれて、頼み事をされる。それはギルドの仲間と共に戦って欲しいと言うもので...と言う感じに話が始まります。

物凄く面白かったです。
序盤は少し重くて辛い展開。ALOの世界では剣士として活躍するアスナですが、現実世界では1人の少女に過ぎなくて、家庭が厳しくSAOの事件もあって、ネットで遊ぶ事を快く思わない母親は転校を迫る不穏な空気が痛い。
ユウキとの戦いでいきなり手に汗握る展開が繰り広げられ、そのまま彼女のパーティが目指している事を知ってさらに興奮。でもちょくちょくと話に影を落とすアスナの母親の存在の事もあり、微妙に乗りきれなかったのですが...そんな空気を振り払ってくれたのはキリトでした。
今回殆ど出番は無かったのに、出てきたら場の空気を一変させる存在感は流石の一言。自分たちだけでボス戦に挑むユウキのパーティとアスナですが、他ギルドからの妨害を受けて絶体絶命...と言うタイミングに駆けつける様はまさにヒーロー。もう格好良くて格好良くて。魔法破壊のメチャクチャさも半端ありませんでした。リズベットの剣とエクスキャリバーの二刀を抜き、アスナ達を先に行かせるために立ち塞がる。これ以上頼もしい後ろ姿があるでしょうか?

しかし、無事目的を達して、大喜びするアスナを待っていたのは衝撃の展開。ユウキがキリトよりも強いと言う事は、SAO組よりも長くダイブ経験がある。でもキリト曰く、ユウキはSAOにはいなかった。なので、病気で起きられない身でずっとダイブしているキャラのかな? と思っていたのですが、真相はさらに重いものでビックリ。せっかく仲良くなったのに、永遠の別れが目の前に。この展開は哀しかった...。
アスナとの交流は僅かな時間だったけれど、でもそこに絶対に意味はある。ユウキはアスナと出会わなければ、最期に笑っていられただろうか。その人生の壮絶さは自分には想像する事も出来ませんが、幸せな旅立ちだった事だけは分かります。ALO中からプレイヤーが集まって見送る展開には泣きそうになったけれど、笑って見送りたいと我慢。本を読んでこんな気分になったのは久しぶりです。

今回は1巻完結の話だったけれど、これって第4部で良いんだよね? 第4部は長いと聞いているので、これでもまだ序章なんだろうなぁ。続きがとても楽しみです。