おまえなんぞに娘はやれん

主人公は高校1年生の男子。高校に入学し、部活説明会で家庭科部の紹介をした先輩・霧島萌を一目見て思い出す。彼女は自分の前世の娘だ!! 家庭科部に入部し、父親の目線で彼女に接するが...と言うお話。
物凄いタイトルに惹かれて買いました。面白かったです。
前世の主人公は娘 = 萌先輩が生まれてすぐに死んでしまったと言う設定。赤ん坊の萌先輩しか知らないはずが、成長した姿を一目見た途端、これと言った前振りも無く、突然前世に目覚める展開にはかなり面食らいましたが、読んでいるうちに気にならなくなりました。と言うか、接し方が完全に親バカな父親...と言う感じが面白い。一歩間違えはストーカー寸前なぐらい。彩色健美の生徒会長が萌先輩を好きだと聞きつけては、「あんな男に娘は渡せん」とばかりに勝負を挑み、彼女に近付く男を排除する所とか、凄い。かと言って、自分が彼女の恋人になると言う発想は出てこない辺りも良かったです。終盤のトラブルも、全力で父親として娘のために奮闘するし。娘を持った父親ってこんな情熱に溢れているのか...。
また、主人公の幼馴染の女の子が良かったです。ずっと主人公の事を見てきたのに、突然現れた先輩にかかりっきりになってしまった主人公が面白くなくて落ち込む所とか、凄く切なくて良かった。真相を聞かされても割り切れないようだった彼女ですが、前世の奥さんが幼馴染だったと言う話を聞いて一気に立ち直った所も最高。すげー可愛い。しかし、たらちねって名前は...酷くね?
と言うう訳で、最初から最後まで、父親の愛情に溢れていた話でした。ラストでは人間関係が面白い事になってますが、流石に続かないよね、これ?