ベティ・ザ・キッド(下)

父の仇であるロングストライドを追いかけ、賞金稼ぎとなった少女・エリザベスの話の下巻。これで完結です。
ロングストライドを追いかけて追いかけて、辿り着いたのはヘヴンと呼ばれる地。シヤマニのマニトウが話の中で重要な位置を占めるようになり、上巻からはガラッと雰囲気が変わった感じがして、凄く秋田禎信っぽい感じのした下巻でした。
上巻では時折「秋田禎信の本だなぁ」と感じるぐらいだったのですが、下巻は最初から最後までその印象が続く感じ。特にシヤマニとマニトウは、自分の理解が全然追いついていないのですが、それでも何となく伝わってくる部分があって。何となく『エンジェル・ハウリング』を読み返したくなりました。作品に漂う、独特の雰囲気と重厚さ。そして分かるようで理解しきれない世界観に感じるもどかしさ。それらが合わさって、なんとも言えない読後感。この雰囲気は、この人じゃないと味わえないよなぁ。読んで良かったです。