萌神

『第九』シリーズの4冊目。3冊目の『絶望同盟』は読んでないのですが、これはタイトルが気になったので読んでみました。何に対しても感動を覚えられない男子高校生が主人公。そんな主人公に萌えの素晴らしさを分からせようと、クラスメイトの通称「中佐」が、萌えの精・もえるを召喚。主人公はもえると共に暮らす事になって...と言うお話。
終盤、怒涛の展開にぽかーんとしました。一体何が起こっているんだろう? と読みながら思ってしまうぐらい、凄い展開。もえるは主人公が感じた「萌え」を増幅する力を持っていて、序盤から中盤にかけては、主人公がクラスメイトの女の子に微弱な萌えを感じた萌えを増幅。主人公が初めて味わう気持ちにドギマギする展開。この辺は割と普通だなぁと思いながら読んでいたのですが...。
ラストの数十ページ、それまでの展開は何だったんだ...と、夢でも見てるんじゃ? と思うような展開が続き、でもそれは現実で。この展開に辿り着いたのも、主人公ともえるの間にそれまでの積み重ねがあったからでしょう。この物語を通じて、主人公が思い切り成長した事だけは確か。最初の頃の無感情キャラと、終盤のキャラは全然違いますね。
面白いかと聞かれれば頷けないけど、何か凄い話。そんな印象の1冊でした。