多重心世界 シンフォニックハーツ 上

第10回スニーカー大賞・奨励賞受賞作。
1つの身体に複数の人格を持つ人々が暮らす惑星が舞台。社会的な地位の高さが人格の多さに比例する世界で、人格の数による貧富や差別を無くそうと奮闘する反星府組織が、1つの人格しか持たない<独声者>である少年・ソロを探す所から話が始まります。
人格が違えば家族も別々と言う、なんとも凄い世界観はなかなか面白かったです。しかし、同じ人物の中に、複数の人格がいて、それぞれフルネームすら違うものだから、誰が誰だか判らなくてちょっと読み辛かった。単純に登場人物が2〜3倍になるようなものだからなー。
終盤まで、単純に登場人物の数が増えていると言う事以外に、多重人格の存在意義が無かったような印象を受けていたのですが、多重人格の真相が語られた辺りでビックリ。普通の異能バトルモノの路線かと思っていたら、いきなり話の核が90°ぐらい曲がりました。この方向転換は予想出来なかった。
下巻がどんな方向で進むのか、全然予想できないのが良い感じです。いつ発売なのか知りませんが、とりあえず待ち。