火目の巫女

電撃の新人さんその3。第12回電撃小説大賞・銀賞受賞作です。
何百年か昔の日本のような国が舞台。人々は国中を跋扈する化生によって、しばしば生活が脅かされていた。化け物を唯一退治できるのは、「火目」と呼ばれる巫女が放つ矢のみ。幼い頃、化け物に村を焼かれた主人公は、この「火目」となる決意をし、その候補を育てる施設へと入ることになったのだが...。
こんな感じの話。化け物への復讐を誓う主人公と、同じく「火目」候補の仲間達の生活を描きながら、最後には「火目」と化生の関係のの真相を知る、と言う形で話が進みます。
これは肌に合いませんでした。終盤に語られる「火目」の真相がとにかく救いが無い。救いは無いけどなんらかの解決を得る、と言うような話ならまだ平気なんですが、この作品はなんの解決も得ないまま終わるから...読後感が全然スッキリせず。何もここまで鬱な展開にしなくても、なんて思わずにはいられませんでした。
鬱な話でもOKと言う人が読めば、もっと違う感想なんでしょうが、自分では楽しめなかった。次回作は、あらかじめ評判を把握してから手を出そう...。