マテリアルゴースト

今月デビューの新人さん・その2。第17回ファンタジア長編小説大賞<佳作>受賞作です。
主人公は自殺願望を持つ高校生。交通事故に遭った事で、幽霊を見る事が出来るように。しかもただ見えるだけでなく、自分の周囲2m以内の幽霊を実体化させるという特殊能力まで身につけてしまった。そんな主人公は、ふとしたキッカケで、ある日から記憶喪失の幽霊な少女に憑きまとわれる事になって...。
こんな感じの話。唐突に霊能力を身につけた主人公と、彼に憑いて回る幽霊のお話です。
主人公が何で死にたいのか良く分からなかったせいか、彼の行動が微妙にチグハグに感じたりもしましたが、共感できる所も幾つかあったので、普通に楽しめました。美少女幽霊にクラスメイトの巫女さんに一風変わった先輩と、登場人物たちもそれなりに魅力的だったし。
しかしラスト、主人公が未知の能力を発揮して危機を脱すると言う展開には、少々拍子抜け。微妙に伏線はあったものの...あまりの唐突さに思わずツッコミを入れたくなった...。
どうにでも続けられるような終わり方になっているので、続編あったりするんでしょうか。あんまりシリアスな展開を入れるよりも、コメディの要素が強くなると嬉しいかも。