電蜂 DENPACHI

今月デビューの新人さん・その3。第17回ファンタジア長編小説大賞<特別賞>受賞作です。
ある日ケータイに一通のメールが届く。内容は「Innovate」と言うゲームへの勧誘。深く考えないまま、気軽に参加申し込みをした主人公だったが、そのゲーム、実は命がけの戦いで...。
こんな感じ。ケータイのメール欄にコマンドを書き込むことによって、現実世界で特殊能力を発動させて戦う「Innovate」。怪我もするし、ケータイを壊されれば命まで落とす。クリア条件はレベルを100まで上げてラスボスを倒す事。そんな過酷なゲームに足を踏み入れた主人公とお話です。
現実世界でPK(プレイヤーキラー)上等なMMORPGをやるイメージと言えば分かりやすいでしょうか。ゲームの設定が面白くて、読んでいてグイグイ引き込まれました。クリアしたら何が起こるのか、と言う謎に少しずつ迫りながら進む展開が良かったです。
終わり方があんまり好きな形じゃなかったのが個人的には少々残念ですが、本の帯にあるように、サスペンスだと思うとシックリきます。ネットゲームの中毒性というのは、こんな感じなのかなぁ。やった事無いから良く分からんけど。