吉永さん家のガーゴイル 4

兎轉舎のおねーさん・イヨが「記憶発掘寝台」なる物を使って、3日も眠ったまま起きない。夢の中で、己の過去を追体験できると言うこの装置。なんとかして起こそうと、双葉、和己、ガーくんは装置を使ってイヨの意識へと入っていくと、なんと着いた先は昭和2年。その世界でイヨを探そうとするのだが...。
今回の舞台は昭和の始め。ガーゴイルの出生に関わった3人の男女が中心となって話が進み、そこに他の面々がからんでいく感じ。今と昔で全然性格違うイヨさんとか、作り途中のガーくんとか、怒る双葉とか。とても面白かったです。
基本はコメディだけど、ほのぼのとした雰囲気も漂わせつつ、さらにちょっぴり感動させてくれる。そんなこのシリーズの持ち味が、とてもよく出ていたと思います。今回はちょっとコメディ要素が薄かった感じですが、話はキッチリまとまっていて、かなりグッド。
また、小ネタが幾つか散りばめられてて、わかる人はニヤリとする事でしょう。特に「先生」。こんなに気さくな人だったんですか...? 詳しい事は全く知らないので、これが合ってるのかどうなのか判断する事も出来ませんが...まぁどっちでも良いですね。話を引き立ててくれる存在と言うだけで、充分に読んでて面白かったですし。
ちょっと不思議に思ったのは、本来の歴史の中ではガーくんってどうして壊れたんだろう? と言う事です。修理に時間がかかったと書かれている以上、なんらかの理由で傷ついたとは思うのですが...どっかに書かれてましたっけ?
こんな感じで、とても面白かった一冊。次の巻はどんな風に楽しませてくれるのか。期待大です。