王国神話 第二夜

富士見の新人作家さんの2冊目。1巻の内容(2巻も少し)、結構ネタバレしてます。これから読もうと思っている方は注意。
舞台は前巻から9年後。世界を救うために差し出された三つ子の神は9歳となり、ヒロイン・オルフィナには新たに人間の子供が3人生まれていた。別の世界で神として過ごしている三つ子は、母であるオルフィナや、オルフィナのいる世界と関わる事は禁じられていたが、時々こっそり、その世界へと遊びに来ていた。そんなある夜、三つ子とオルフィナの子供たちは出会い、そして...。
こんな話。1巻の終わり方がどうにも納得が行かなかったこの作品。あのまま三つ子を無視して、ディオンとオルフィナの甘い恋愛物語なんぞを繰り広げられたらどうしようかと不安だったのですが...一応フォローが入ってて、少しホッとしました。と言っても、完全にモヤモヤが晴れたかと言われれば、そういう訳でもなく。自分の言いたい事は、作中でリディスが感じている不満そのものなのですが...人と神じゃ考え方が違うって事で納得するしかないんでしょうか。
まぁ前巻の話はとりあえず置いといて、今回は姉弟で恋に落ちたと言う話。倫理的にどうなのよ? と思ってしまいましたが、9歳と7歳の姉弟と言う事で、他愛の無い子供同士のじゃれ合いと思えば、それほど違和感を感じないのかもしれません。御伽噺っぽい雰囲気も、生々しさを消す役割を負っているのかも。自分は最初ちょっと引いたけど、読んでるうちに「まぁ神様だし」と割り切れて、気にならなくなってました。と言うか、面白かったです。
甘いシーンのオンパレードは読んでいて楽しかったし、地の文がしっかりとしていて読ませてくれるのにはビックリ。後は一途なシャルが素晴らしい。ラストシーンは、年齢でカバーされてた違和感がぶり返してきてちょっと微妙な感じもしましたが、全体的に1巻よりは大分面白かったと思う。
しかし、あとがきを読む限りではまだ続きそうですが...どうやって続けるんだろう。子供の子供編?