星の、バベル 上

ハルキ文庫から出てた、新城カズマの本。地元の本屋じゃ見かけなかったので、今更ながらこの前書泉に行った時に買い込んできました。
舞台は、赤道直下の太平洋にあるメソネシア共和国。言語学者・高遠健生は、この国で政府とゲリラ間の調停者として和平交渉に当たっていた。しかし和平が目前に迫ったある日、高遠は不可思議な生物の死体を発見する...。
こんな話。まだ上巻しか読んでませんが、これ相当良いです。途中までは、いったいどこがSFなんだと思っていたのですが、後半になるにつれ、段々とSFっぽくなっていきます。主人公が言語学を学んだ人という事もあって、新城カズマの本領発揮といった所でしょうか。
SFの考察は読んでて「なるほど」と頷きっぱなしだったし、地の文章はしっかりとしてるし、とにかく面白い。ちょっと薀蓄の量が多くて、部分的にはついていけない部分もあったのですが、それを差し引いても楽しく読めました。もっと早くに読んでおけば良かった。
新城カズマの作品で、まだ手をつけてないシリーズって結構あるのですが、残りも全部読んでみたくなりました。しかし『蓬莱学園』シリーズとかって、まだ手に入るんだろうか...。