チェスボクシング

突然ですが、皆さんはチェスボクシングと言うものをご存知でしょうか? チェスボクシング? と思う人が大半だと思います。自分も最初聞いたときは何それ? 状態でした。http://www.jca-chess.com/tokyo-fight.htm を読んで貰えば大体分かると思いますが、要はチェスとボクシングを交互にやるスポーツです。チェスは1R4分、ボクシングは1R2分。これを交互に計11R繰り返して争うゲーム。今日そのデモンストレーションマッチが行われると言うことで友人に誘われたのですが、こんな頭悪いイベント見過ごす訳にもいかないと、観戦してきました。
場所は自由が丘、後援にオランダ大使館がついているとあって、会場も観客もどことなくブルジョワな雰囲気が漂っている中で行われた、Iepe "THE JOKER" と Soichiro "THE CHO-YABAI"の対決。花道から颯爽と現れ、リングに上がる両選手。どちらもボクサースタイルで、手にはテーピング。これからグローブはめて殴りあうマンマンな雰囲気で、ゴングを待ちます。しかし、その間にリング上に運び込まれる椅子とテーブル、そしてチェス盤...。準備が整うと、両選手そのまま席につき、ゴング。そしてボクサースタイルのままチェスを始める2人。...なんですか、このシュールな光景は。ソコは殴りあう場所で、間違ってもチェスを指すような場所じゃねーだろ! このギャップと言ったら、もう。
そして1R終了のゴングが鳴ると、席を立ってセコンドのいるコーナーに戻ってグローブとマウスピースを装備。その間にリング上のテーブルは片付けられて、2R開始のゴングと共に殴り合いを始める2人。チェスを指していた時とは打って変わって、闘志剥き出しで殴り合ってますよ...。そして2R終了のゴングで再び用意されるチェス盤。3Rはさっきまでのボクシングなどまるで気にも止めない雰囲気で、黙々とチェスを再開してます。...あえて言おう。この競技考えた奴、心底アホだ。間違いない。
試合の方は、1,3Rのチェスでイップ氏が優勢に立ち、それを受けて4Rからのボクシングで総一郎氏が怒涛の攻めを展開する形でラウンドを重ねてました。しかし5,7Rのチェスでほとんどイップ氏の勝ちが決定的。7R終了時点での、総一郎氏のチェスの持ち時間は残り4分9秒。チェスは1R4分で行われます。よって9Rのチェスは全く動かさないで流し、8Rと10Rのボクシングで勝負を決めれば、総一郎氏にも勝つ道があるかも? と言ったところ。事実、8Rのボクシングはこれまでのラウンドでは見られないほどの激しい打ち合いになって、このまま10Rのボクシングまで続けられればひょっとして? という雰囲気でした。
しかし9R。ボクシングの影響で上手く考えられなくなっていたのか、それともそんな姑息な手段は使いたくないのか、駒を動かす総一郎氏。ボクシングでの奮闘虚しく、そのままチェックメイト負け。一応日本人贔屓と言うことで応援していたのですが...残念。
まぁでも、体格はイップ氏の方が大きいし、チェスのレーティングも総一郎氏が1400台、イップ氏が1600台と200も差があったため、順当な結果と言えばその通りの結果。ちなみにこのイップ氏。現在のチェスボクシング世界チャンプらしいです。世界大会があったと言う事が一番の驚きですが。WCBO(World Chess Boxing Organisation)と言う団体がやっているそうです...まんまですね。公式サイトは http://www.wcbo.org/ です。
なんかすげー新鮮な経験をしたような気がします。滅茶苦茶面白かった。こんなアホな企画はそうそう簡単にお目にかかれるもんじゃないですよ。行って良かったです。今後この競技が全世界的に普及したら、今日のイベントは日本で初めて行われたチェスボクシングと言うことで、歴史に刻まれることでしょう。そうすると、今日の観客は正に歴史の証人。将来、大手を振って周りに自慢できます。「俺はあの日、会場で見てたんだぞ!」と叫べる日が来るかもしれませんね。...無いか。
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