星虫

友人が貸してくれたSFシリーズ第2弾。
主人公の友美は、宇宙飛行士を目指している女子高生。ある夜彼女は、空より無数の光る物体が降り注ぐのを目撃した。次の日起きてみると、額に宝石の様な物が取り付いてる事に気付く。その後の調査によって星虫と名付けられたこの物体は、人間の視覚・聴覚などの感覚を増幅してくれる宇宙生物だと言うことが判明。人々はその恩恵に大いに喜ぶのだが、次第にこの星虫は変化し始めて...。
こんな感じのお話。初版は1990年と古く、これは初版から10年後に若干のリメイクを加えて再販されたものだそうです。第一回ファンタジーノベル大賞の最終選考に残った作品と言うこともあって、SFと言うよりもファンタジーと言っても差し支えないのかもしれません。と言っても宇宙生物との関わりがメインに進んで行くので、SFでもあると思いますが。
そんな分類はともかく。友人は微妙と言っていたのですが、自分は結構楽しめました。環境破壊とか地球の声とか、あと特にひたすらに不器用な恋愛模様とかは、読んでいて少し(少し?)むず痒いものを感じたのは事実ですが、それもまた良し。10年以上前の作品だと言うことも踏まえれば、こんなもんなんじゃないかと納得いくし、身悶えするような恋愛ものというのも結構好きだし。星虫の成長がどんな風に進んでいくのか、読んでいてワクワクしたし。普通に面白かったです。
不満点を挙げるとすれば、ラストの何故死ななかったのかと言う点について、解説が欲しいと思った事ぐらいでしょうか。あーニュートリノを見て、宇宙の様子が分かると言うのもちょっと不思議だったか。地球が透けて宇宙が見えるんなら、宇宙に浮かぶ星全部が透けてしまって、なんにも見えないんじゃね?
ちょっと調べてみたのですが、なんかアニメ化するらしいですね、この作品。TVでシリーズ化するにはちょっと分量が少ないように思えるので、やっぱりOVA? まぁどっちにしろ、出来たら見てみたいと思います。