アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

友人から借り受けたSFの一冊。タイトルのオマージュは良く見る事があって、気になっていた本です。映画『ブレードランナー』の原作でもあります。
内容は、大規模な戦争の影響で放射能灰に汚染された地球で、犯罪を犯したアンドロイド専門の賞金稼ぎが、火星から逃げてきた8人のアンドロイドを相手にすると言うものです。地球では生きた動物を飼う事が社会的なステータスとなっているのに、主人公は電気羊しか持っていない。本物の動物を買うために、主人公はアンドロイドを追っていきます。
本当にこれは海外の作品なんだろうか、と疑いたくなるほどにスラスラと読めました。これまで読んだ事のある翻訳本は、どっかしら翻訳だと思えるような言い回しなんかが目に付いていたのですが、これはそんな事が全くなし。これにはかなり驚きました。訳者の方が、相当この作品に入れ込んでいるのか...とにかく、名訳。
人間とアンドロイドの差について、全編語っているような感じのする本でした。こういう「人間とは何か」と言うような哲学的な話は、自分の学が足りないせいかイマイチ理解し辛く、正直良く分かりませんでした。しかしアンドロイドとの駆け引きは、話が二転三転して面白かったです。読んでいて何度も騙されたよ。本当にこいつ、アンドロイドか? みたいに。
映画の方も評判が良いようで。機会があれば見てみよう。