魔弾の王と戦姫 4

シリーズ4冊目。親友に危機が迫ったとの知らせを受け、急遽国へと戻っていったエレン、そして残されたティグル。そこに、南東の国境を破って隣国が攻め込んでくる。ティグルとしては見過ごす事も出来ず立ち向かうが、こちらの兵力は二千、敵は二万で...と言う展開。

相変わらずの面白さでした。今回の読み所は、少ない兵で如何にして大軍の相手をするか? と言う部分。しかも戦姫と言う強力無比な戦力を欠いた状態での戦い、と言う所が面白かったです。エレンがいれば、それこそ一騎当千で多少の戦力差はものともしないけれど、そのエレンがいない以上、残された戦力で何とかするしかない。綱渡りな状況と戦法で、ギリギリの戦いを繰り広げる様が良かったです。
ティグルの決断...と言うか決意も良かった。一番確実なのは、国が動くのを待って自分達は安全な所にいる事。国の重鎮たる大貴族に睨まれている現状、援軍は期待できないし、もし来たとしても一緒に狙われる可能性すらある。それを押し通して戦っても、自分に付き従う兵の命が少なからず散ってしまう。その意味の重さも受け止めた上で、戦う選択を選んだ事が良かったです。
終わってみれば、気が付けば味方をしてくれる戦姫が増え、さらに戦いの大義名分を得た形になったティグル一行。これは大分話が動くなぁ。ティグルの弓の秘密を知っていそうなキャラも登場して、ますます目が離せなくなってきました。続きが楽しみ。