キミはぼっちじゃない!

第7回MF文庫Jライトノベル新人賞・佳作受賞作。
主人公とヒロインは高校生。ある日、1人の迷子の子供を拾う。警察に届けるも、主人公達を両親と信じ切っており、さらには周囲の人間まで、その子が主人公達の子供だと思いこんでいる。子供を放り出す訳にも行かず、2人で子育てをする事になったのだが...と言う展開。
主人公とヒロインが周りに冷やかされつつも子育てに取り組む姿は真摯で良かったし、その2人の間に流れる照れを含んだ空気はニヤニヤ出来るし、育てられる子供・リリィは無垢で可愛かったです。
ただ、話としては普通。子育てと言っても、子育て特有の問題に直面してどうこうする話では無く、周囲の人間への対応や、リリィの正体に関する話が多くて、あまり子育ては関係ない話だったと思います。終盤の展開が早過ぎて、めまぐるしく状況が変わったのも残念でした。
しかし、会話のテンポが凄く良くて文章は読みやすかったので、次回作があれば読んでみたいかも、と思いました。