妹ホーム

家庭の事情で施設で育った、極貧な兄妹が主役。奨学金で高校に入学したが、とある事情で住んでいたアパートを追い出されてしまう。住む所に困っていた所、高校で再会した幼馴染の少女が管理する洋館に住まわせてもらえる事になって...と言う感じで話が始まります。

ひたすらに兄妹愛を書いた1冊でした。手を取り合って、互いを支え合いながら生きてきた主人公達。高校に入って環境が変わり、さらには住む所にまで困るような状況に追い込まれても、お互いの事を想って強く生きる姿が良かったです。妹、本当に良く出来た娘だなぁ。ずっと広島弁で話している所も可愛かった。兄も兄で、妹のためなら...と、覚悟を決められる格好良さ。本当に強い。
そんな兄妹の絆の間に、幼馴染の少女が、実は主人公と実の兄妹では? と言う疑惑から割り込んでくる展開だったのですが、この2人の絆はそう易々と切り離せるものじゃない。最初は気持ちが揺らいでいましたが、家族として兄を想う妹の姿に、自分の妹は1人と毅然に振る舞う所が良かったです。ラブコメっぽい展開もあったけど、それすら兄妹の仲の良さの引き立て役にしか見えなかったもんなぁ。

こんな感じの1冊でした。この兄妹が幸せになれますように。