子ひつじは迷わない うつるひつじが4ひき

シリーズ4冊目。今回は学校を飛び出し、とある館が舞台。夏休み、泊まり込みアルバイトで生徒会長と佐々原さんと共に赴いた所、そこにはサトウさんと仙波さんまでいて...と言う展開。

今回も面白かったです。これまでの巻は1冊で複数の謎に挑む内容でしたが、4巻は1冊丸々を使って、泊まり込んでいる「万鏡館」の謎に挑みます。白と黒の2色で塗り分けられ、鏡が一切ないのに名前は「万鏡館」。さらに館の主人でサトウさんのクラスメイトである美少女のちょっと不可思議な言動。積もった謎が徐々に明かされていく展開が読んでいて面白かったです。
謎解き自体はそれほど難しくなく、あまり謎解きが得意ではない自分でも、終盤には大体の真相が分かるレベルでした。普段なら最後に主人公がひっくり返す展開があるのですが、今回はそれも無く。しかし、主人公には本人が気付かないままに与えられていた役割があって、それが予想外でした。確かに、彼ならではの役割だなぁと納得してしまいました。

また、長編と言う事で、普段よりも踏み込んだ人間関係が読めた事も良かったです。佐々原さんと仲良くする様子を見て、微妙に心落ち着かない仙波さんとか、主人公からの思わぬ反撃で、思いっきり心乱される会長とか。読んでいてニヤニヤしっぱなし。仙波さん、ホント良いキャラだなぁ。サトウ...と言うか妹とのやりとりも、怒ったり叱ったりしても決して見捨てないあたり、良いお姉さんっぷりだと思います。妹のキャラが面白くて、読んでいると「いいぞもっとやれ!!」とか思っちゃうんだけど、仙波さんに知られたら恐ろしい事になりそうだ...。

こんな感じの1冊でした。ラストに楽しそうな引きがあったので、これが続きが待ち遠しい。学園祭か...!!