僕と姉妹と幽霊の約束

第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・優秀賞受賞作。
幽霊を見る事が出来る男子高校生が主人公。ある日、好きだったクラスメイト・紫音の霊を教室で見かける。成仏させようと、彼女の心残りを探りながら交流を深めていくが...と言うお話。

微妙な切なさと甘酸っぱい読後感が残る、良いお話でした。幽霊がメインキャラ、しかもそれは好きだった女の子...と言う設定で、切ない話にならない訳がない。主人公は姉と妹2人がいて、全員が何かしらの霊能力を持っていると言う設定。退魔の力だったり、自分に憑依させる事が出来たり。その力を借りつつ、徐々に紫音の心残りを探していきます。
幽霊とは言え、好きだった女の子。他の人間には見えないけれど、主人公は一緒に会話し、条件さえ揃えば触れる事も出来る。どんどん交流を深め仲良くなっていくに連れて、別れの瞬間の切なさが増していく。このまま成仏してしまい、離れ離れになってしまうのは辛いなぁと思いながら読んでいたのですが...終盤の展開にはビックリ。これは気付かなかった...!! 上手いなぁ。辛いけれどこのまま終わってしまうと思っていた矢先だったし、全く想像もしていなかった事。こんな驚きがあるから、本は最後まで読まないと分からない。改めて思わされました。
ラストにワクワクさせられたので、もう少し続きが読みたい気分です。綺麗に終わっているので、ここから続けるのは難しいかも知れませんが...。是非是非。