放課後のアディリシア

『百億の魔女語り』の外伝。主人公の妹でキーパーソンであるアディリシア。眠ったまま目を覚まさずに入院していた彼女が目を覚まして大きく話が進んだ本編ですが、そのアディリシアがまだ眠りにつく前のお話。ネイバーことジノ君と学園で「乙種魔術研究部」の活動をしていた頃のお話です。web連載分+書き下ろしの内容。

とても面白かったです。アディリシアは基本ワガママ...と言うか、自分の選んだ道を進むためには手段を選ばないキャラなのですが、呆れるほどの強引さは無いのが良いバランス。これで非常識な部分まであったらついていけない所ですが、そこまでのメチャクチャさは無くて、このぐらいなら許せてしまう...と言う絶妙なラインを保っている所が大変好みです。
振り回されるキャラとして白羽の矢が立ったジノ君ですが、面倒見が良いと言うか惚れた弱みと言うか...こっちも可愛いキャラで面白かったです。アディリシアが乙種魔術の教授に入れ込んでいる所を見ては微妙な嫉妬を繰り返す所とか、青春だなぁ。でも、読者の立場からすると、どう考えてもアディリシアはジノに甘えているようにしか見えない所がまた素晴らしい。犬の話とか...ねぇ?
見えなかった部分がこの外伝で見えて、ますます続きが楽しみになってきました。次は本編。期待しています。