わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 3

Book

他人が妄想で作り上げた彼女を認識し、会話まで出来るコンタクトを入手した女子中学生の主人公･あすみが、そんな妄想彼女達と交流を深めながら好きな男の子･高柳との関係を深めようとするお話の3冊目。今回はクラスメイトの川上 & 仲居カップルが主役。メイドの妄想彼女を持つ川上と大人しい仲居。付き合い始めたのに、最近上手く行かなくて...と言う展開です。

面白かったです。川上くんと仲居さんの仲を何とか取り持とうと奔走する周囲の意気込みが、良い感じに青春でした。登場人物は皆それぞれ、自分の恋を抱えていると言うのに、友達の事も大事、とばかりに協力するのが素敵。事の発端は川上くんがちょっと思い込みが強かっただけなんだろうけれど、でも自分を振り返って相手に釣り合わないと思ってしまう気持ちは分からないでもないなぁ...。
また、仲居さんは本当に健気。思い込みが激しい子だけれど、それだけに川上くんの事が大好きで、嫌われたくなくて必死になる姿を見ていると、上手く行く事を願わずにはいられませんでした。こっちも内気な子なので、なかなか川上くんとの会話が無く、すれ違いの原因の一つになっていたのですが...最後にはお互い話して一安心。ヒヤッとするシーンもあったけど、これで一層仲が深まったんじゃないでしょうか。
仲居さん達の話の裏で、もう一つ進行していた話が、高柳くんの妄想彼女。あすみの事を好きだったはずの高柳くんに、何故妄想彼女が? と言う疑問に対して、あすみに対する不満から生まれたのでは? と言う仮説が立てられます。有り得ない話じゃないなぁと思って読んでいたのですが、ラストでビックリな展開が待っていました。理想の女性像を妄想彼女にしているのなら、実在はしないはずなのに、この展開。これは荒れる。間違いなく荒れる...!!
あすみがどうするのか、大変続きが気になります。楽しみ。