織田信奈の野望 6

前巻で一応戦いが一段落した織田軍。とは言え気が抜ける状況では無い中、本願寺...ならぬ本猫寺が武力を蓄えていると言う情報が。何とかして本猫寺との和解を目指すが...と言う展開。

相変わらずの面白さでした。前巻までの合戦みたいな派手さや熱さはありませんでしたが、笑いと予想を覆す展開で満ちた1冊で大変満足。信奈のデレ方が半端無くて、まずこれだけでゴロゴロゴロ。これまでのツンデレっぷりが嘘のよう。ツン成分が抜けて完全に心許すと、こうなるのか...。前巻での主人公の格好良さと、信奈に対する想いの一途さを考えれば、これはとても幸せな事ですね。
しかしその一方、心穏やかでは無いのが明智光秀。主人公と結婚するものだと言う前提で動いているから、信奈とは衝突するし、かといって信奈は自分と主人公の関係を表沙汰にするのは立場上無理。2人のイザコザは見ていてハラハラします。なんと言っても、片方は明智光秀。このままだと本能寺の変の理由が燃える恋心...となってしまいそうな勢いがあって、怖いです。主人公としては、絶対に本能寺の変だけは避けないといけないイベント。鈍感キャラではないので、何とかして光秀と信奈共に上手く付きあおうとする所が良いですね。何とか踏ん張って欲しい。最後は凄い事になってるけど。
そして本願寺を猫を拝む宗教と改変して、本猫寺とした発想にはビックリ。その猫、どこから出てきた...!? と思いました。フロイスとのコンビで漫才に明け暮れ、ラストにはサッカーに結びつけた挙句、今川義元の蹴鞠の達人と言う設定まで回収していくと言う、見事な展開には一瞬呆然として、直後に感動しました。まさか蹴鞠の伏線が回収されるとは露程も思っていなかったよ!

このまま無事に最後まで進んで欲しいですが、ラブコメ的には不穏な気配が漂っています。信奈との仲は深まる一方だけど、そこに暗い影を落とす明智光秀。何とか上手くいって欲しいけれど...どうなることやら。