千の魔剣と盾の乙女 3

魔剣使いの主人公と、彼と旅をするヒロインたちのお話、シリーズ3冊目。師匠の手紙を他の島へ届けるお使いから、さらに別の島へとお使いを頼まれた主人公一行。向かう先は錬成術の盛んな島・コノート。年に一度の祭儀に必要なものを大陸へと取りに向かったパーティが戻ってこない...と相談を受け、救助に向かうお話です。

面白かったです。魔物の巣窟である大陸に、3日間野営をして救助に当たる。これまでにないほどシビアな条件の中での冒険でしたが、その分、色々と話が進んだように思いました。特に、案内役として登場した新キャラ・フィオナのお陰で、主人公の目標に対する問答があったのが良かったです。師匠の「魔王を倒す」と言う夢を自分の目標と定める主人公。でもそれは本当に自分の目標なのか? と言う根本的な部分への問いかけ。誰もが気になっていて、でも口にはしなかった事ですが、いつかは向き合わねばならない問題だと思っていただけに、こうしてキチンと書かれた事が嬉しかったです。
また、主人公の過去、そして持つ剣が壊れてしまう理由、色々と明らかに。さらに竜の登場で、気になる伏線も張られたし。これはホルプが竜だと言う事で良いんだよね? これはリーナとの繋がりを意識してしまう。単純に名前と設定だけの繋がりなのかなぁ。世界観まで繋がっているようには、今の所感じられないのだけれど。
都市奪回戦に参加すると言う目先の目標も出来た事だし、そこで更に主人公達が成長する事を期待しています。続きが楽しみ。