ゴーストハント 5

シリーズ5冊目。とある権力者が所有する、山中にそびえる奇怪な屋敷が舞台。増改築を繰り返して、複雑怪奇な構造になっているこの建物で起こった行方不明事件を調査するために、沢山の霊能者達が集められて...と言うお話。
物凄かったです。襲ってくる怖さもさる事ながら、最初から最後まで、構成の見事さに唸らされました。事前にこの巻の評判を聞いていたのですが、その高さにも納得の1冊。
山中に佇む幽霊屋敷が舞台と言う事で、序盤からどんな恐怖体験が襲ってくるのかと身構えていたのですが、最初は全然無し。調査をするにも、あまりにも酷い増改築のため、屋敷の全貌が全く分からず、最初はマッピングからスタート。徐々に屋敷の形と構造が明らかになるにつれ、不気味さが募っていくのですが、決して直接的な恐怖は襲ってきません。特別な霊現象が起こる訳でも無く、何か変だけどその理由が分からない...と言う不気味さのみが漂います。
そして1人、また1人と集められた霊能者が行方不明になっていき、溜まりに溜まった不気味さが、一瞬で恐怖に転じる終盤。この落差が本当に凄い。恐怖とはこう言うものか...と身を持って実感しました。油断してページを捲った瞬間に飛び込んでくるんだもんなぁ。怖かった...。
また、これまで謎だった麻衣の身の上が少し明らかになったのですが、これは今後活かされる設定なんだろうか。ここまで伏せられていた事に、何か意味があるんじゃなかろうかと勘ぐってしまいます。残る2冊が楽しみ。