身代わり伯爵の脱走

シリーズ5冊目。今回からシアラン編。ミレーユの正体が内外にバレ、シアランから結婚の申し込みが。ジークはミレーユに政略結婚をするか、それが嫌なら断るために自分の後宮へ入れと迫り...と言う展開。

リヒャルトが切な過ぎる...。シアランの王太子である事を隠していたリヒャルトですが、今回のミレーユ結婚騒動から彼女を守るために、単身シアランへと戻る決意を固める展開が良かったです。跡継ぎ問題で揺れるシアランには、自分が彼女と結婚して戻るのが一番安全だけれども、それだとミレーユを巻き込んでしまう。そんな気持ちから、好きだけど、いや好きだからこそ巻き込めないと一人で茨の道を進もうとする決意が切なくて切なくて。ちゃんと全部話せば、ミレーユは決して嫌とは言わないだろうけど、それを良しとしないのがリヒャルトらしいと言うか何と言うか。
しかし、だからと言って大人しくしているようなミレーユじゃない。逃げるなら追いかけましょうとばかり、ジークによって閉じ込められた後宮から自力で脱出してヴィルフリートたちの協力を得ながら追いかけていく展開が流石です。でも、これだけやってもまだ自分の気持ちにハッキリと気付かないミレーユはどうなってるの...。勝ち気で強気だけど、臆病でもあるよなぁ、ミレーユって。

シアラン編はしばらく続くみたいで、気になる所で終わっています。いつ、そしてどうやって2人がくっつくのか楽しみ。