聖グリセルダ学院の事情

村全体が暗殺者と言う家に生まれた少女・ティエサが主人公。戦乱の世が終わり、村の人々は平和が訪れた事で仕事を失ってしまった。そんな中、ティエサはとあるお嬢様の護衛、と言う名目で聖グリセルダ学院へ入学する事になり...と言うお話。

面白かったです。暗殺者としての生き方しか知らないヒロイン。なにせ話し相手のちょっとした振る舞いにも、「攻撃か!?」と身構えてしまうほどの優秀さです。普通の生き方を知らない事で、聖グリセルダ学院への入学には不安が一杯。でも本を読んで憧れていた普通の女の子としての生活に自分も足を踏み入れる、そんな期待も一杯。相反する気持ちを胸に抱えて学院へと赴いていく展開が良かったです。

物語は学院で起こった殺人事件を追いかける展開。一応潜入任務なので、ヒロインは自分の正体は隠さねばならないのですが、学院の生徒である王子・キアスに隙のない動きから正体を見破られそうなったり。でもそこから始まるロマンスが良い感じ。ツンツンしている王子様の、時折のぞかせる優しさが良いですね。他にも学院に馴染めずに落ち込む中、それでも仲良くしてくれる友人が増えていって、徐々に打ち解けていく展開に微笑ましい気分になりました。

こんな感じの1冊でした。ティエサが今後どんな活躍を魅せてくれるのか、王子との恋愛も含めて楽しみ。