ストライク・ザ・ブラッド 1

三雲岳斗の新シリーズ。魔族が人と混じって暮らす海の上の人工島が舞台。この特区に第四真祖と呼ばれる、伝説にしか出てこないはずの世界最強の二つ名を冠する吸血鬼がいるとの噂が流れた。この第四真祖、実は男子高校生の姿をしていて、その監視のために、対魔族の国家機関・獅子王機関は一人の少女を彼の妹のクラスメイトとして送り込むが...と言う感じに話が始まります。

とても面白かったです。現代を舞台に、魔族や吸血鬼、人間側の組織等々が思わせぶりな名前で登場し、そこに加わる少々の科学要素。さらに異能バトルにラブコメ要素、そして先が気になる伏線。どれもが上手いバランスで組み合わされていて、流石は三雲岳斗! と思わせてくれた1冊でした。
第四真祖として強い力を持つ主人公ですが、中身は普通の高校生。ヒロイン・雪菜は機関から単独で派遣されくるだけあってかなりの実力者ですが、修行ずくめで微妙に一般常識が欠けている感じ。この2人がとても良いコンビで楽しく読めました。最初は危険人物として主人公を警戒するヒロインですが、徐々に打ち解けて行く展開にニヤニヤ。主人公も、序盤は監視なんて...と思っていたのに、後半ではすっかり仲良し。島で起こった魔族に対する暴力事件に巻き込まれ、気が付けば島全体が危険に晒される大事件へと発展していく展開を通して、一気に距離が縮まっていきます。
加えて、元から主人公に惚れてそうなクラスメイトにブラコン気味? な妹もいたりして、ラブコメ方面は拗れそうでなにより。しかし吸血鬼である主人公には12の眷属がいると言う設定なのですが、この展開だとひょっとしたらヒロインが12人必要になるんじゃなかろうか。それはそれでアリだなぁ。

続きが楽しみなシリーズがまた1つ始まりました。どんな方向に話が進んでいくか...期待しています。