わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 2

謎の虚無僧から貰ったコンタクトレンズを着用する事で、男子の妄想が生んだ脳内妄想の彼女達が目に見え、意思疎通まで出来るようになった女子中学生の主人公が、幼馴染で好きな男の子へどうにかアプローチしようとするお話の2冊目。主人公の想い人・高柳君を狙うライバルで超美少女な河内利沙から、豪華ホテルに格安で行けるチケット10枚を、高柳君を誘う前提で捌くように言われた主人公。憧れの人とホテルで1泊! と意気込む主人公が、他に誰を誘うかで悩むが、そのチケットが盗まれてしまい...と言う展開です。

とても面白かったです。この主人公、大好き。元気いっぱいで感情豊か、思い込んだらひたすら突っ走る。1巻で感じた主人公の魅力はこの巻でも健在でした。前巻でキーとなったクラスメイト・仁島さんは今回もキーで、前巻でやった事が後を引きずり暗い影を落とす展開が読んでいて不安をかき立ててくれます。でもその不安を、主人公のがむしゃらまでの情熱で突き破ってくれる展開が素晴らしいです。主人公は頭が切れるキャラでは無いし、ただただ真っ直ぐ進むことしかしない直情キャラですが、暗い雰囲気を吹き飛ばすには、これ以上無く頼もしいですね。
また、利沙がとても良いキャラで気に入りました。基本上から目線のキャラなのに、どこか憎めないと言うか...。主人公に接する態度が可愛いです。お友達になりたい! と言うオーラが漂いまくっているのが素敵。小悪魔的な態度で隠している所も良かった。ホント良いキャラだなぁ。

さらに終盤の展開はとても青春していて熱かったです。仁島さんを巡る展開が綺麗にまとまって一安心。佐島君と主人公の距離が妙に縮まり、代わりに高柳君と利沙の距離が縮まったのかな? 主人公としてはちょっと面白くない展開ですが...主人公の奮起に期待したいところ。しかし最後の1行がまた不安を煽ってくれる。続きはどうなることやら。