千の魔剣と盾の乙女 2

溢れ出した魔物から逃げるため、都市を切り離して大陸の周りを周回する島して、その島々でのみ人間が暮らす世界を舞台に、魔剣使いの主人公・ロックとエリシア、そして錬成師のフィルの3人がチームを組んで冒険するお話の2冊目。
今回はエリシアの生まれ故郷を尋ねる話。裕福な家庭を飛び出して魔剣使いとしての道を選んだエリシアだが、実家に戻ったら婚約話が進んでいた。主人公を偽の恋人に仕立てて逃れようとするものの上手く行かず、大陸にある妖精の塔の試練を乗り越えた方を認める、と言う展開。

世界観の説明やらなにやらで微妙に盛り上がりきらなかった印象のあった1巻に比べ、話が集中しててとても面白かったです。所々に入るラブコメ展開は若干微妙なのですが、それが気にならなくなるぐらい、他が良かった。
エリシアの事を恋愛抜きにて旅の仲間として大事に思い、婚約させる訳には行かないと戦うロック。相方の魔剣・ホルプを思い切り振るい、ここぞと言う場面ではメッチャ格好良くて素晴らしかったです。ベタ惚れ状態のエリシアからしたら、戦う理由が理由なだけに複雑な気分かもしれませんが、それでも自分のために戦ってくれる主人公の事を悪く思うはずも無く。しかし、素直じゃないのでその気持ちを表に出せない上に、主人公も気付かないので見ていてもどかしい。エリシアと2人で妻になると野望を燃やすフィルがじれったそうにしているのにはとても共感出来ます。そしてエリシア父が嫌なキャラだったら読んでて複雑な気分になりそうでしたが、頭ごなしに強引な人ではなく、純粋に娘の事を思って...と言う姿勢だったのも良かった。良い人だなぁ。

また、騎士道を身につける事を夢に、槍を振るう新キャラ・ナギが登場。主人公達と仲良くなりつつ今回の騒動に巻き込まれ、戦いを通して主人公の事を認めていく展開が素敵。エリシアはライバル登場でどうするんだろう。ナギの想いは、恋愛感情とは少しズレていると思うんだけど、だからと言って安心出来ないよね。

ラストに大変熱い伏線が張られて終わっているので、次の巻がとても楽しみ。