Re(アールイー):4

格好付けたがりで中二病の高校生・光一が、ある日本当に超常の力を手に入れ、世界の命運を握る少女・を護るお話の4冊目。実はこの世界が既に二周目だった事が明らかになった前巻。クリスマスを目の前に、前の世界でアルルを守れなかったと落ち込む主人公が、周りから叱咤されて...と言う感じの展開。

面白かったです。前の世界での話が回想の形で語られるのですが、これが良かった。今の世界よりもずっとずっと絶望に満ち溢れていて、そんな中で光一は最後の最後までアルルを護ろうとして力尽き、代わりにその遺志を受け継いだのは明日菜。語られるシェード誕生の理由と、一度世界が巻き戻った理由が哀しくて切なくて。今の世界だって危機の連続だし、まだアルルと世界を共に救う方法は見えていないけれど、それでも前の世界に比べれば大分幸せな事に気付かされます。明日菜の決意と努力には感服するしか無い。

また、光一も凄かった。過去の話だけでなく、今の世界でも見せ場がたっぷり。幼馴染である広美との昔の約束を思い出して、かなーりムチャクチャな方法でその約束を果たす所とか、傍から見れば格好悪いのかも知れないけれど、でもこれは笑えない。例え中二病と言われても自分の信念を貫いて、約束を破る様な格好悪いマネはしないと突き進む姿は、間違いなくヒーローでした。

次の巻で完結だそうで、最後は強烈な引きで終わってます。どんな風に完結させるのか、今から楽しみ。