やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

アダ名が「ヒッキー」で、友達のいないひねくれた性格の男子高校生が主人公。とある事情から、学校一の頭脳と美貌、そして運動も出来る美少女・雪ノ下雪乃が所属する「奉仕部」へと強制的に入部する事になった。奉仕部は生徒からの悩みを聞き、解決する部活で...と言う感じに話が始まります。

とても面白かったです。頭脳も見た目にも恵まれているけれど、そのために孤独なヒロインと、周囲の人間と上手く関係を築けずに1人でいる時間が増えていった主人公。雪乃のキツい性格を前に、最初は付き合い辛そうにしていた主人公ですが、しかし彼女の持つ才能や美しさを前にしても変に卑屈になる事も無く、徐々に距離が縮まっていく展開がとても良かったです。表面上は言い合っていて仲良くなっているようには見えないけれど...ポンポンと台詞が飛び交う会話はイキイキとして見えました。

ストーリーとしては3人の相談者が順番にやってくる展開。学園の中が舞台なので、相談者は生徒。同級生やクラスメイトからの相談を受けますが、どの相談もクラスの中の人間関係が絡んでくる内容で、読んでいて微妙に心痛みます。目立つ人間が我が物顔で振舞っている中、最初の相談者である由比ヶ浜結衣なんかは、その顔色を伺いつつ自分がやりたい事を貫こうとする話で、読んでいて胃が痛くなる。他の相談者の話も、多かれ少なかれスクールカーストが話に絡んでくるので、そういった展開が苦手な人には辛いシーンが続きますが、でも、それをひっくり返してくれるぐらいの勢いが主人公とヒロインにありました。辛い展開が続いた後だからこそ味わえる痛快さがとても素晴らしかったです。
主人公自身、クラスの中の立ち位置は最下辺。だからこそ、上の人間の顔色を窺う事無く、自分のやりたいように生きている。何でも出来るヒロインを前にしても、それが故に普通に付き合える。元々出来過ぎる事に対する敬遠で孤独になっていったヒロインからすれば、こんな風に接してくる主人公は新鮮で、だからこそ仲良くなれる、そんな展開が大好きです。

そう言えばラスト、部活の顧問の先生が相談者は「4人」と言っていましたが、4人目は誰と解釈すれば良いんだろう。自分は雪乃の事かなと思いました。んで雪乃の勝ちが結衣と材木座、主人公の勝ちが雪乃と戸塚。
求む解釈。