花×華 3

高校の映像研を舞台に、花と華、2人のヒロインと主人公の恋模様を書いたお話の3冊目。今回はラブコメメイン。夏休み、華は母親のわがままで避暑地へと連れて行かれ、主人公の側に残るのは花のみ。プールに肝試しと、華のいない間にイベントが続いた主人公と花だったが...と言う感じに話が進みます。

面白かったです。映像研としての活動は全く無く、ほぼ全編恋愛方面の展開に、終始ニヤニヤ。華が街を離れ、主人公との思い出を沢山作る花の楽しそうな笑顔は本当に輝いていました。しかし、ふとしたキッカケでしてしまったキス。ここからが素晴らしい。華のいない間に抜け駆けしてしまった事を気に病んで落ち込む花の心情が痛い。
華の方も、完成した映画を避暑地先まで届けに行こうとする主人公と途中駅で遭遇。ここからは華のターン。大雨で電車が止まり帰れなくなって、ホテルで一拍、しかも同部屋! 花と何かあった事をうっすらと感じ取った華も、猛烈アピール。主人公、よく理性持つね...。もうこれは何が起こってもおかしくない展開だと思ったんだけど。

また、ラストがとても良かったです。花は華の煽りで罪悪感を吹き飛ばして立ち直り、何があったかぶちまけるし、華も華でホテルでの事を意味深に話す。2人が牽制し合いつつも、如何に自分が主人公を好きなのかを大声で言い合う展開は、もう悶えるしかありません。後は主人公がハッキリすれば、と思いますが、ここまで来たら2人共に付き合っちゃえば良いのにとも思ったり。どう考えても選べないだろう、こんな魅力的なヒロインのどちらかなんて...。