身代わり伯爵の決闘

シリーズ4冊目。今回は何かを企んでいるリゼランド王国のグレンデル公爵が来訪。関わらないよう言われたミレーユだったが、とある事情から公爵令嬢・シャルロットと仲良くなり、王宮で劇団を作る事になって...と言うお話。
面白かったです。リヒャルトとミレーユの煮え切らない距離感に、最初から最後まで悶えっぱなし。序盤から果敢に攻める積極的なリヒャルトの振る舞いに、「なんて甘い展開なんだ...」と悶え、しかしその攻めは、ミレーユの天然鈍感と言う防御に呆気無く打ち砕かれる様が良かったです。ミレーユだってリヒャルトの事を好きなはずなのに、なんで肝心の本人からのアプローチには気付かないんだよ!
話はシャルロットが周りを引っ張っていくような展開。演劇をやる! と決めて、周りの協力を仰ぎながら進んでいきますが、ちょっと強引な性格だけど、しかしその裏には恋の話があって、徐々に明らかになる真相が良かったです。好きな人のために思い切って、でも父親を裏切る事も出来ず、2つの気持ちに挟まれて悩む展開が切ない。その気持ちを汲んで、劇を通して想いが叶うようにと振舞ったミレーユはホント良い娘です。
劇の台本はセシリアが書いたのですが、これも良かった。明らかに自分とフレッドの事を題材にしている、甘くて切ない内容。セシリアの気持ちが篭ってるなぁ。そしてラスト、フレッドの一言が素晴らしかった。言われてふらつくセシリアの姿がとても可愛かったです。
しかしシアラン方面が、ますますきな臭い雰囲気になってきたのが少し不安。この先、否応なくリヒャルトとミレーユは巻き込まれるのか...。