表裏世界のソーマキューブ

第12回エンタメ大賞・特別賞受賞作。
主人公は高校生の男子。裏界と呼ばれる異世界の力を借りて使う法力を学ぶ日々の中、ある日、学校内でパンツを拾った。どちらも主人公にベタ惚れしていて法力の天才である幼馴染の少女と学校の先輩、2人からそのパンツの出処を問い詰められ逃げ回っている内に、1人の少女と出会う。裏界から来た彼女を助ける過程で、世界が滅亡しかかっている事を知り...と言う感じのお話。

主人公の一人称で進むのですが、凄くクールを装って口調も穏やかなのに、考えている事や行動は結構変態で、そのギャップが凄い。自分に正直なだけなんだけど、「私」と言う一人称でこの振る舞いは珍しい感じが。幼馴染と超美人の先輩の2人のヒロインは、どちらも主人公への好感度がマックスどころか振り切れていて、既にヤンデレ化しているのも凄い。主人公、こんな2人に追いかけ回されて良く生き延びてきたなぁ。

ストーリーは殆ど終盤だけで完結しているような気が。ひたすら存在感に溢れていた2人のヒロイン達は、その存在感とは裏腹に話には殆ど絡んでいない...。ドタバタしたコメディが続いた後、唐突に話が始まって終わった。そんな印象を受けました。

しかし最後まで読んでも大きな謎が1つだけ残っているんですが...これは明らかにされる日が来るのかな。