神と奴隷の誕生構文 3

シリーズ3冊目。アヌビシアと同盟を結び、その森を抜けて西方へ。そこには有角種が治める広大な国・トルキォストルがあった。この国の大首長・ヘィロンと会い、同盟への参加を申し入れるが...と言うお話。
色々と詰め込まれていて少々展開が早く感じましたが、面白かったです。クルァシンは1人単独でさらに西の国へ偵察に行っており、ヘィロンと向きあって同盟を進めるのはセレィだけ。同じ有角種と言う事で、親しげに接するセレィとヘィロンの様子に、同盟は簡単に結べそう...と思いきや、やっぱりそう簡単には行かず。同じ種族とは言え、数百年の間交流の無かった国。生活スタイルも全く異なる以上、物事に対する考え方も大きく違う。その事に否応なく気付かされ、決闘する展開がとても熱くて良かったです。
決闘と言っても直接刃を交えるのでは無く、遊牧民であるヘィロン達の事を考えて羊を連れての騎馬によるレースなんですが...これが良い。3本勝負の2本目以降の熱さが素晴らしかったです。地の利は圧倒的にヘィロンにあるけれど、その不利を沢山の民族の力を借りて跳ね除けるセレィの言動が良いですね。誇り高い緋獅子との戦いも格好良かったし。さらに前巻で仲間になった聴士のサーリャも大活躍で見所たっぷりでした。
出番の少なかったクルァシンですが、次の巻では再び彼が戻って来る模様。と言うか、彼の話がメインになってもおかしくないぐらい。期待して待ちます。