"文学少女"と恋する挿話集 4

文学少女』シリーズの短編集・第4弾。雑誌掲載分に書き下ろしを加え、これが最後の短編集。
短編集と言う事で、色んなキャラの話が沢山。菜乃はやっぱり良い娘だなぁとシミジミしたり、遠子先輩の勘違いから始まる暴走っぷりに笑ったり、舞花の話で切ない気持ちになったり...と、よりどりみどり。個人的には美羽と芥川の話が良かったです。まっっっっったく素直じゃない性格の美羽を、どこまでも正直な芥川が支える。美羽が歩み寄らない限り、2人の距離は縮まなさそうですが、もう時間の問題だよね、これ。しかし芥川...正直だけどちょっと不器用な所が妙に可愛いかったなぁ。
ななせ派としては、彼女のその後の話が少し読めたのも良かったです。夕歌(と言うか彼)がどうなったのか、気になっていたのですが、この分なら大丈夫そうで一安心。
でもやっぱり、遠子先輩と心葉の話が好きです。高校の頃、2人が何気なく過ごしていた文芸部の話を読むと、何か暖かい気分になります。もうあの頃に時間は戻らないけれど、こうして垣間見ると、本当に幸せな時期だったんだなぁと心底思える。この先に続いた茨の道を思うと少し物悲しい気分にもなるけど...さらにその先には、明るい未来がある。残すは後1冊。大人になった遠子先輩がどんな風に活躍するのか、今から楽しみです。