Re(アールイー):3

ガチガチの中二病な高校生の主人公が、とあるキッカケで本当に異能力を手に入れ、世界の命運を握る少女を守る事になるお話の3冊目。
今回は夢の世界へ人々を連れ込み、辛い現実を忘れて幸せな夢を見せる能力「幸福夢幻」に囚われた主人公達が、そこから抜けだそうとする展開。
とても面白かったです。主人公の能力は他人の能力を劣化コピーして使えると言う「付け焼刃」。2巻では本当に能力をそのままコピーして使える「贋作工房」と言う力を持つキャラとの対決があったのですが、この3巻ではそのキャラ・能力泥棒と共通の敵に対して一時的に手を組んで挑む展開。これが熱かった。
能力だけを比較すれば、とてもじゃないけど勝負にならない程の差があって、ライバルとは呼べない関係なのですが...でも人の強さは能力だけじゃ語れない。主人公はバカだけど人一倍強い心を持っているのが素晴らしいです。周りから中二病と揶揄されても振る舞いや服装を変える事はしない。本気でヒーローになれると信じている。信じているからこそ、常にそうあろうと行動するから強い。夢の世界に囚われても、その幸せな夢を良しとはせず、現実を決して忘れないのは、この強さがあるからだなぁと思いました。腕の差を折れない心で補い、本当に強い能力泥棒と合わせ立って敵に挑む。こう言う関係って大好き。
後書きに作者の中二病と熱さに関する話が書いてあるのですが、これを読む限り、今後も非常に熱い話が読めそうで今からわくわくしています。続きがとても楽しみ。