東京レイヴンズ 3

シリーズ3冊目。陰陽塾の実技試験として、本物の霊災を祓う事に。しかしその最中、都内各所で大規模な霊災が発生。陰陽塾が担当していた霊災も例外なく規模を増して...と言う展開。2年前の霊災の後遺症を抱える冬児が、再び大きな霊災に間近で触れてしまった事で、その後遺症が活発化してしまい...と言う感じに話が進みます。
今回も面白かったです。これまでそれほどスポットの当たっていなかった主人公の友人・冬児がメインのお話。冬児の後遺症とは、身体の中に鬼を宿してしまった事。普段は表に出てこないけど、大きな霊災に触れるとその鬼が活発化し、放っておけば身体を乗っ取られてしまう。春虎は、自分の中にいる鬼を表に出さないよう必死で制御する冬児を励ますんですが...その励まし方が素晴らしい。ただ心配するのでは無く、必ず乗り越えられるだろうと、挑発し、突き放す。言葉だけで足らなければ殴り合う。親友と言っても決してお互いが依存するような関係では無く、互いに並び立つ事を当然と考えている関係って良いなぁ。
さらに冬児も助けられてばかりでは無く、己の後遺症を乗り越え、春虎のピンチには駆けつけて助け返す。もうどんだけ青春すれば気が済むの!? と言わんばかりに、1冊丸ごと春虎と冬児の青春話が詰め込まれていて最高でした。夏目もそれなりに出番はあったけど、今回はこの2人が全部持って行きましたね。
新キャラとして新たな十二神将も登場して気になる伏線も張られ、ますます楽しみなシリーズになりました。続きにも期待。