お・り・が・み 天の門

前々から気になっていた林トモアキに初挑戦。
主人公は不幸の連続で20億の借金を背負う事になった女子高生・鈴蘭。借金のカタに働くことになったが、その働き先は悪の組織を自称する「魔殺商会」。下っ端メイドとして働く事になったが、実は鈴蘭には聖女の資格があり、神を降臨させたい神殿協会から狙われる事になり...と言う展開。
面白かったです。魔殺商会のボス・伊織の強引さにはちょっと引っかかる所がありましたが、テンポ良く進む展開が良い感じ。悪の組織に勤める事になってしまったヒロインですが、その生い立ちや人生からは想像できないぐらいの脳天気さが、話を暗くし過ぎなくて良かったです。
しかし、強引な展開から始まるハイテンションなコメディだけで進むのかと思いきや、終盤は急展開。神に魔王に神殺し。役者が揃って繰り広げられる、世界を揺らがすレベルの壮大な展開が熱い。特に凄かったのは、鈴蘭が選んだ選択。自分が状況を左右する重要人物になり、いいように利用されていた事に気付いて...と言う場面だったのですが、まさかこんな選択をするとは。しかも思いつめたが故に、と言う感じでは無く、前向きな姿勢で選ぶんだ結果がこれとは...。選択肢の1つではあるけれど、躊躇なく選んだ事が凄かったです。
そして伊織も良かった。基本的に悪者な伊織ですが、時折ちょっと良い奴っぽく見える瞬間があるのが悔しい。憎まれ役を自ら買って出て、人知れぬうちに、1人で苦労を背負いそうだなぁ。本人は楽しんでやっているんだろうけれど。
しかし、続きもこの感じで熱い展開があるなら、かなり楽しそう。続きも読もう。