ゴーストハント 1

小野不由美の『悪霊』シリーズが復刊。小野不由美の本を読むのはこれが初めてです。
主人公は普通の女子高生。取り壊し工事が不吉な事故で中断している旧校舎の調査を依頼された「渋谷サイキックリサーチ」の所長・ナルと出会い、彼の調査を手伝う事に。調査を進めるに連れ、旧校舎で不可解な現象が起こり...と言うお話。
タイトルから分かる通り、ホラーもの。とても面白かったです。主人公の麻衣は明るくて、オカルトとは無縁の生活を送っていた所、徐々に異常な事態に巻き込まれていく展開。最初はナルだけが行っていた調査ですが、巫女や坊主...など、学校に雇われた様々な霊能者が現れては旧校舎の謎に挑む展開はコメディチックなのですが、そこに加わるホラー要素がただのコメディでは無いと思い知らせてくれます。
ナルはビデオやテープレコーダーなどの計器を使って、理的に幽霊の存在を見つけ出すタイプ。突然ドアが閉まったり、足音が聞こえたり...と言う旧校舎で起こったホラー現象に、一つ一つ理由をつけていくのですが、これが良い感じ。一つ怖い事が起こって、それを「霊の仕業では無い」と理論的に結論付ける。これが繰り返されるのですが、渋谷の説明でホッとしたタイミングで次の怪異が起こるのが素晴らしかったです。気が抜けた不意を突かれると言うか何と言うか。ホラーとしてはそれほど怖い展開がある訳では無いのですが、このタイミングが素晴らしくて、読んでいて最後までハラハラした感覚が続きました。ラストも予想を覆される真相が待っていて驚かされたし、最後まで楽しあkったです。
元々は未完だったシリーズだそうですが、復刊に伴って隔月で完結まで読めるとの事。こうして読める事は運が良いのかも。最後まで読もうと思います。