シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と青の公爵

銀砂糖師を目指す女の子・アンと、彼女と共に旅する妖精・シャルとミスリルの話の2冊目。今回はとある公爵が破格の値段で砂糖細工を求めているとの話を聞き、お金の無いアンはその公爵の元へ向かったが...と言う展開。
今回も面白かったです。公爵の求めている砂糖細工は、昔の思い出をそのまま形にしたもの。絵としてしか残っていないとある人を再現するのですが、思い出に囚われていて冷静な判断が出来なくなっている公爵。望みのものが完成するまで逃げる事も出来ない状況に追い込まれたアンでしたが、それでも依頼は絶対に達成すると言う強い気持ちの元、ひたすら製作に打ち込む姿が格好良い。逃げ出しても文句は言われないような状況でしたが、でも逃げてしまっては職人としての矜持が折れる。職人魂を見せつけられた気分です。
シャルとの関係も良かった。シャル本人は気付いていない...と言うか鈍感なだけなんですが。アンと一緒にいたいくせに、自分自身でその事に気付いていないとか、楽し過ぎる。アンもアンでシャルと離れたくない気持ちがドンドン増している模様。今回、2人の間で微妙なすれ違いがあったのですが、これが素晴らしかったです。読んでいてニヤニヤが止まりませんでした。
この1件で距離が縮まった2人が今後どうなるのか。次の巻も楽しみです。