不堕落なルイシュ 2

シリーズ完結巻。
「寿命で死なないけれど成果を残さないと60歳で強制的に処分される」世界で、主人公が怪我をして処分されそうなクラスメイトの少女を救うため、「弱者保護権」を持つ兄を頼るために、兄が篭っている山へと向かう展開。その山に設けられた試練を超えれば、保護権はもらえるのだが...と言う感じで話が進みます。
1巻では主人公やルイシュ、そして母親の、歪んでいるけれど真っ直ぐな家族愛に衝撃を受けたのですが、2巻では普通の話になったなぁ...と言うのが最初の印象。クラスメイトの少女・那智を救うために奮闘する主人公の決意は良かったのですが、中盤、弱者保護権を手に入れるために繰り広げられるゲームが割と普通で、1巻で感じた独特な雰囲気が薄れたように思えました。


しかし、終盤。全ての謎が明らかに明らかになってからの展開が凄い。いきなりの急展開で何がどうなった? と戸惑いながら読み進めて辿り着いた真実と、主人公が選んだ選択。正直、どう言葉にすれば良いのか分かりませんが...この2巻も、間違いなく愛の話でした。面白かったです。