エアリエル 2

カメラが趣味の主人公が、とある事情から反政府勢力「レヴァンテ」にカメラマンとして雇われ、レヴァンテのエースパイロットで足が不自由なヒロイン・ミリアムと行動を共にするようになるお話の2冊目。今回は船の上が舞台。反政府勢力「レヴァンテ」に協力してくれる議員との秘密の会合場所に選ばれた豪華客船に、レヴァンテ側の護衛として乗り込んだ主人公とヒロイン。そこで、主人公の婚約者である美少女・アンジェラと再会。国ではほぼ死んだとみなされていた主人公との再会に、アンジェラは大喜びするが...と言う展開。
1巻は空を駆けるシーンが多かったのですが、2巻は船の上が舞台と言う事で空は控えめ。一応船には戦闘機を護衛用に積んではいるものの、出番はそれほど多くなかったのがちょっと残念でした。
その代わりにスポットが当たったのは恋愛模様。最初は主人公の事を嫌っていたミリアムですが、1巻を通じである程度打ち解けて、この客船での旅もそれなりに楽しんでいる...はずが、主人公の婚約者が登場した事で一気に不機嫌に。主人公も主人公で、微妙に隠そうとするから話がややこしくなったような気がします。
美人だし性格も良いし、非の打ち所が無い婚約者のアンジェラですが、主人公の心はミリアムに。死んだと思った人に再会出来て、喜んだのも束の間、心は既に別の人の方を向いている。これは切ない...。嫌いだった家を飛び出して自由を得た主人公からしてみれば、ミリアムに気持ちが向くのも当然。でもアンジェラの事が嫌いな訳では無い。何と言うか、タイミングだよなぁ。出会いの順番や立ち位置が変われば、主人公とアンジェラが2人で幸せになる未来もあっただろうに。そうは行かないのが物悲しい。
しかし、アンジェラさん。思いつめたらこうなるのか。終盤の展開にはビックリ。愛情って怖いね...。伏線をバッチリと張って次の巻へ引く終わり方でした。どうなる事やら。