小さな魔女と空飛ぶ狐

『ピクシー・ワークス』でデビューした作者の2冊目。
隣国で内乱が続く中、戦闘機乗りでエースパイロットである主人公が、突如言い渡された新たな任務。それは小さな科学者・アンナリーサの補佐だった。戦争を終わらせるための兵器開発に新たに携わるようになった彼女を、実践経験者としてサポートする事になったのだが...と言う感じのお話。
コメディっぽい展開に走るのかと思えばシリアスになったり、その逆もあったり...と、どう読めば良いのか戸惑った1冊で、イマイチ楽しみ切れず。時折容赦なくグロい描写が混ざるのも、「えっ?」と思いました。戦争ものだから分からんでも無いけど。
ワガママだけど本当に天才なアンナリーサ。最初はそれほど主人公を重要視していなかったのに、気が付けばキッチリと支えするようになったのは読んでいて微妙にニヤニヤしました。しかし、自分の作った兵器で人が死ぬ。その事を頭で理解した上で、戦争に積極的に力を貸していく展開が、いつか自分が何をやっているのか気付いた時にどうするんだろう? と思いながら読んでいましたが、終盤、本当にそんな展開があったのは良かったです。自分がテロに巻き込まれ、間近で人が死ぬ所を見てしまってから、押し潰されそうになる。そりゃそうだよなぁ。頭で分かっているのと、実際目にするのでは雲泥の差があるよね。
しかし、やっぱりコメディなのかシリアスなのかどっちつかずな展開が微妙。どっちか一辺倒の方が良いって訳じゃないけれど、読んでて気になる混ざり方だったのが残念でした。