火の国、風の国物語 10

シリーズ10冊目。パンドラが離れ、戦う自信を喪失したアレス。奴隷に身をやつして失意の日々を送っていたが、そこに仲間達が次々とやってきて...と言う展開。
とても面白かったです。落ち込んだアレスを何とか立ち直らせようと、レオンやミーア、そして意外な人物までもがアレスの元を訪れ、話していく。如何にアレスの再起を皆が望んでいるのか、伝わってくるその想いが素晴らしかったです。なかなか奮起しないアレスには微妙に情けなさも感じましたが...それでも終盤。サブタイトル通り再起すれば頼もしい事この上なし。これまで溜まっていた鬱憤を晴らすかのような展開が読んでいて気持ち良かったです。つか、3人で城攻めって。不覚にも噴き出してしまった。
また、色んな人が自分の挫折譚をアレスに聞かせるので、どちらかと言えば短編集っぽい作りになっていましたが、それぞれの話も面白いし、皆の歩んできた一筋縄では行かない人生を垣間見えたのが良かったです。
英雄が再起し、仲間も集い、そろそろクライマックスですね。ここから先、一回り大きくなったアレスがどんな活躍をしてくれるのか、楽しみでなりません。続きに期待。