ミネルヴァと智慧の樹 始原

大学に入り、付属の図書館でバイトを始めた主人公が、その大学図書館で1人の女性と出会う事で日常が一変し、錬金術に関わっていき...と言うお話。
何とも説明し辛い話。智慧の樹の化身でありミネルヴァを名乗るヒロイン・理と、平穏な人生を望む主人公。2人が出会い、理の時間が動き出すのですが、哲学的な話が飛び交い、少々難解でした。雰囲気は好きなんですが、自分の読解力では全部を理解するには足らなかったようです。分からん部分は分からないなりに読んで、全体の雰囲気を楽しむ感じで読んでました。感情の動きが殆ど見えない理と、突然これまでの日常が覆されるような世界に放り込まれた主人公のやりとりが良かったです。
しかし、話自体が大きく動く前に終わってしまった印象が。多分シリーズ化するのでしょうけど、これは導入的な位置付けだなぁと言う感じの1冊でした。智慧の樹の存在と錬金術、そして世界の在り方みたいなものが入り交じるけれど...終わってみれば、主人公が現状を受け入れ、ヒロインと仲良くなった所で話が終わっているように思えました。サブタイトルが『始原』となっているから、続くんだよね? ここで終わるのはちょっと勿体無い気も。後、もう少し哲学的な部分に自分の理解が及べば、かなり好きになれそうだと思うし。もう1冊ぐらい出て欲しいなー。