踊る星降るレネシクル

第2回GA文庫大賞・奨励賞受賞作。
主人公は高校生。同じ師匠の下で格闘技を学んだ少女・瑞貴と喧嘩別れしたが、その瑞貴が倒れたと聞き、彼女の通う学校「ミカホシ学園」に転校してきた。この学校では「ミカホシランキング」なるものが運営されていて、個性の強さがそのまま腕っ節の強さになると言う不思議なバトルで順位付けされており、主人公も早速戦いを挑まれるが、その時一人の少女と出会い...と言うお話。
結構面白かったです。「ミカホシランキング」の設定がとても良い感じ。個性で戦うと言うのはピンと来ないかも知れませんが、要は情熱の強さがそのまま力となる設定です。「ひきこもりに情熱を注いだ少女 VS 格闘技に情熱を注いだ少年」とかだと、普通なら格闘家が勝ちますが、この学園では分からない。なんせ懸けた熱意や情熱が強いほうが強いんだから。この設定が面白かったです。
お話としては、主人公がガンガン戦う形ではなく寧ろ戦いを忌避していて、代わりに、どうしても強くなりたい少女・すまるの師匠として彼女を鍛える展開。これが熱い。敢えて憎まれ役を買ってでも、彼女を強くしようとする展開が良かったです。流石にすまるが大事にしている気ぐるみをああしたシーンは「おい!!!!」と思ったけど。
ただ、後半は普通のバトルものになってしまったのが残念。主人公とヒロインが普通に格闘技を修めている人なのが大きかったのでしょうか...。もう少しミカホシの個性で戦う設定を味わいたかったです。他にも、歌のシーンとか歌詞が突っ込みどころ満載だったり、チラホラと微妙に感じた所もあったのですが、メインの話が楽しめたので総じて満足。続きが楽しみです。